ガルー


居心地が良いのか、ヨアヒムの部屋に集うウルとキース。
火鉢を囲んで談笑です。
キース「…ところでウル、アレをどう思います?」
ウル「ああ、アレ?」


ヨアヒム
「ZZZZZ…」
ウル「…ローズボンテージよかマシだと思うぜ」

何やらヨアヒムのパジャマに問題があるようです。なぜなら――


ヨアヒムのパジャマは、それはそれは愛らしい、


漢ガルー…もとい、カンガルーさんだからです。


ヨアヒム
「うーん…むにゃむにゃ…」
キース
「兄上…」

先ほどそれを目撃した弟は、よほどショックだったのでしょう。


キース「…これは?」
ふと、キースの足元に日本刀が現れました。


鞘から抜くと、それは切れ味抜群な真剣でした。
キース「おお、神よ。この剣でこの愚兄を成敗しろと仰せなのですね?」
ヨアヒム「…ハッ!殺気!?」


ヨアヒム「殺られる!」


ヨアヒム「本気で殺られるだら!」


キース「せめて苦しまぬよう、ひとおもいに…って、兄上?いつの間に?」
ヨアヒム「危なかっただっち〜」

キースが剣を抜いてからヨアヒムが逃げるまで、僅か0.9秒の早業でした。
そんな経緯をウルと語らい、その日の火鉢談話は終了。
各々寝室へ戻っていきました。

 


ウル「さーて俺も寝るか…って、俺もガルーになってる!?」
神の手により、パジャマをカンガルーさんに変えられていたウル。


ウル「しゃーねーな。このまま寝るか」
順応の早い主人公。


ウル「…それにしても、俺の部屋ってスゲー殺風景なんだけど?」
風来坊な彼に、どんなアイテムをチョイスしてよいのか分かりませんでした…。

 


キース「さて、僕も寝ますか…って、僕もガルーになってる!?」
ヨアヒムやウルとは色違いのピンクガルーさんです。


キース「……仕方ありませんね。今晩はこれで我慢しましょう」
そうベッドに入るキースの口角が、僅かながらあがっていたのは気のせいでしょうか?


キース「………(以外と着心地が良いですね…)」
本当はヨアヒムが羨ましかったのかもしれません。

 


そして翌朝。
フラフラとベッドから這い出るキース。


キース「僕は…低血圧なんです…」


食堂にガルーのままで集う3人。
ヨアヒム「なんだら?お前達も漢ガルーの良さが分かっただらか?」
ウル「ち、ちげーよ!」
キース「ウルはともかく、僕は強制的に着せられたのです」

ヨアヒム「二人とも素直じゃないだらな〜」
変なところだけ鋭いヨアヒムには、二人の本音は分かっていました。

 


ウル「…わりぃ、ホントは結構気に入ってんだ、コレ」
こっそりとヨアヒムに打ち明けるウル。
ヨアヒムは無言で、そしていい笑顔で一つ頷きました。



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