酒と涙と男とニャンコ


アウターヘイブンに見慣れぬ荷物が増えておりました。


「これは…」


「…駄目だ」
怪しげなオーラを放つ謎のオブジェクトに駄目出しヌル。


ウォーズさん「いや〜、すみませんね〜。なにせ資金が底を尽きてしまいまして〜」
やさぐれオセロット「……………」

ヌルのセンスが許さない新しい荷物たちは、押しかけ居座り始めた山猫組の物でした。
ラシュモア山よりも高いプライドのオセロットは飲んだくれて、ちょっぴり荒れ模様。


ヌル「え、ビッグボスから支給されてないのか?」
ジョナサン「俺達には毎月送られてくるよな?」
オセロット「なに!?」
ウォーズさん「…俺達はビッグボスには、いらない子なんですか?隊長…」

衝撃の事実に、あたり一面重苦しい空気がたちこめます。


「…あ”〜…」
一方その頃、一人お風呂でくつろぐライコフ。すっかり我が物顔です。

〜そんなこんなで家族が増えたあくる日〜


「…頭が重い」
ヌルに異変が起こっておりました。


「風邪でもうつされたか?」

いいえ違います。猫です。


「心なしか後頭部が暖かいが…?」
茶トラ猫が噛り付いているであります。ぬくもふです。


ライコフふぅん!はぁん!
ジョナサン「掛け声が気持ち悪いぞ」

ヌルの部屋へ勝手に入り、刀の訓練をするライコフと、
それを見守るジョナサンにも引っ付いておりました。
ぬっくもっふ。


「ライコフめ、これも持ってきたのか。」
ヌラヌラとヌメリ光るオブジェクトを眺めるオセロットには、
グレーにゃんこが首に巻き付いておりました。


「あれほど捨てろと言ったのに…」
静かに怒るオセロットの首で、寝息を立てるグレーにゃんこ。
ぬっくもっふむにゃー。


「…俺はいらないファイティング・コンピューター…ヒック!」
やけ酒で寝入る豹柄パンツ(寝巻き)ウォーズさんの首にもグレーにゃんこ。


ウォーズさん「ベアークロー2本で100万+100万で200万…
いつもの2倍のジャンプで400万…更に3倍の回転を加えれば…」

グレー猫「だいぶ錯乱しているようだニャー」
枕代わりにされても余裕のヨっちゃんです。


ジョナサン「ブー!ブー!」
オセロット「ブー!ブー!」
ライコフ「うるさい!失せろ!」

猫が引っ付いた野郎共は、訓練中のライコフにブーイングの嵐。
純粋にブーイングしているジョナサンとは違い、八つ当たりしているオセロット。


ライコフ「…うるさいっ…と、言ってい…るだろ…グスッ」
意外とガラスのハートなライコフは、あまりの仕打ちにベソかきです。


〜その夜〜


オセロット「…俺は別に、金が欲しいわけじゃないんだ」
ちょっと大人気ないと思ったオセロットは、ライコフと仲直りの酒盛りです。
でもついつい愚痴が零れてしまいます。


ライコフ「元気だせ。金なら俺が稼いでやるから。この美貌で」
オセロット「(…こいつのせいで、ビッグボスに見放されたのか?)」

空気の読めないライコフに、オセロットの男心は一生理解できません。


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