ヨアヒムが異界という名の別宅を劇的リフォームし、皆で引っ越してきました。
純和風(田舎)を目指したらしく、田んぼ付きの平屋建てです。
ヨアヒム「どうだら、この見事な田園風景…。我ながら完璧すぎて怖いだっち!」
ウル「うっわ、やべぇ。超懐かしいんだけど。昔を思い出しちゃうじゃん。」
キース「兄上の無駄なバイタリティには感服しますよ」
ヨアヒム「そう褒めるな弟よ。照れるだら」
弟の高度な皮肉は、ヨアヒムには通じません。
ヨアヒム「合鴨達も元気いっぱいで幸先いいだらな!」
ウル「ねえ、もしかして俺達で稲作するの?バカなの?知ってるけど」
キース「ここまでアレだとは思いませんでしたよ兄上」
合鴨A「ぐわっぐわっ」
キースに賛同するかの如く鳴く合鴨ちゃん。
「四の五の言わず耕すだらー!」
そう言いクワを構えたものの、へっぴり腰なヨアヒム。
「…意外と難しいだっち」
土管よりも軽い物は苦手なご様子。
「…なんで僕が、こんな力仕事を…」
剣捌きは巧くても、クワ捌きはイマイチなキース。
そもそもやる気がありません。
「もう嫌です」
早々にギブアップです。城主様、しっかり!
「だからさー、ガキんとき思い出すっつーか、
むしろグレイヴヤードで墓穴掘ってたとき思い出すじゃん」
そうぼやきつつも一番クワ捌きが巧かったウルの顔は、楽しげでした。
ヨアヒム「一仕事終えたあとの風呂はサイコーだっちー!」
みんなで仲良く泥を落とします。
色々突っ込み所がおありでしょうが、見逃してください。
「♪〜」
「♪〜♪〜」
「♪〜♪〜♪〜」
「♪〜〜〜〜〜」
上機嫌で丁寧に身体を洗うウル。
〜それからの稲はというと、〜
キース「どなたですか?」
福引魔人「福引券の数だけ願いを叶えてやろう」
キース「帰ってください」
福引魔人「そう遠慮するでない」
福引魔人「どれ、では御主も兄のように、筋肉隆々にしてしんぜよう!」
キース「帰れ!全力で帰れ!」
嫌な魔人にキースが捉まっている間にも、稲は着々と育ち、
ヨアヒム「船旅苦手なのに、海賊のコスプレだらか?」
ウル「うっせーよバーカ、このカボチャ頭野郎」
ヨアヒム「弟よ!まるで吸血鬼みたいだっち!」
キース「触らないでください」
「クーン…(食べられない…)」
ヨアヒム達がハロウィンを楽しんでいた間にも、稲はスクスク育ち…
こんなに沢山のお米が採れました。
これだけあれば、当分年貢に困りません。
ウル「来年も稲作やろうな」
ヨアヒム「(ウルが一番楽しそうだったっち)」
なんだかんだいって、田舎暮らしをエンジョイしていたウル。
半分とはいえ日本人の血が、そうさせたのでしょう(多分)